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希少金属と呼ばれるものの中でも高い希少性を誇るプラチナですが、近年価格が低迷しているため「プラチナの価値がなくなってしまうのではないか」という意見もあがっているそうです。
そこで、本記事ではプラチナの現在と将来性についてご説明いたします。

プラチナとは

プラチナとはどんな金属？

プラチナとは、ジュエリーや触媒、電子機器など多方面での需要があり、金や銀と比較しても鉱石から採れる量が非常に少なく希少価値の高い金属です。さらに、精錬に時間がかかり、加工も難しいため大変高価な金属です。
また、上記のように採れるプラチナの量が少ないことや、地球上に存在するものにも限りがあるため「都市鉱山からのリサイクル」が重要視されており、電子機器や基板からプラチナが回収されています。

プラチナの価値の現状

そんなプラチナの価格はというと、１ｇあたり5,000円台ほど。もちろん高価ですが、希少性ではプラチナに劣るはずの金の価格はおなじく１ｇあたり13,000円と2倍以上の差があり、このような逆転現象がおこってしまっております。
また、2020年ごろ新型コロナウイルスによる不景気のため、一時的にプラチナの価値が暴落しておりましたが、各国の経済状況が回復していく中で、またプラチナの価格も徐々に上がってきています。

プラチナの価値に影響する要因

主要消費国の景気

プラチナの消費国は欧州・北米・日本・中国に集中しています。
およそ７０％が工業用途として使用されているプラチナですから、それを消費する国の景気によっても価値は左右されます。

実際に、新型コロナウイルスによるロックダウンによって、世界的にも自動車生産が落ち込んだことでプラチナの価値は金の半値ほどにまで下落しました。
主要消費国の景気が好転することでプラチナの消費が活発になり需要が増えて価格が上がりやすくなりますが、反対に景気が悪化することで需要は減り価格は低下していきます。

そのため、主要消費国の景気を注視することで、プラチナの価格変動の予測が立てやすくなります。

自動車産業の需要の変化

日本では結婚指輪等、宝飾品に使用されているイメージの強いプラチナですが、世界的にみると自動車産業や宇宙開発などの工業分野で利用されることが多く、その中でも自動車産業においては重要な役割を担っています。

ガソリン車の排気ガス浄化触媒として、もともとはパラジウムという金属が主流だったものの、政治的要因やもともとの希少性の高さが重なり価格が2018年頃から２倍にまで高騰しております。
その影響もあって、パラジウムの代替え品として需要が増加しました。

また、カーボンニュートラル達成のため注目されている、電気自動車やハイブリット車などのエコカーにもプラチナが使用されているため、今後エコカーの普及とともにプラチナの需要が高まる可能性があります。

供給の安定性

世界各国で使用されているプラチナですが、プラチナの産出国の政治的・経済的な影響も受けます。プラチナの産出国の中でも南アフリカの産出量は突出しているため、南アフリカの情勢は意識しておく必要があります。

実際に鉱山ストライキや鉱山の安全問題等により、生産が一時的に停止したり、プラチナの供給量が大幅に減少することでプラチナの価格を大きく変動させる事例がありました。

また、南アフリカの通貨であるランドの価値変動もプラチナの価値に影響を与える要因の一つです。上記の通りプラチナの主な産出国は南アフリカなので、プラチナの取引の多くはランドで行われます。そのため、ランドが下落することでプラチナの価格も同時に下落する可能性があるのです。

今後の価値動向は？

プラチナの価値がなくなる可能性は極めて低い

序盤でふれたとおりプラチナの希少価値は金と比較しても非常に高いです。
また、ディーゼル車の生産が減少することで、一時的には自動車産業でのプラチナ需要も減少しました。しかしカーボンニュートラル達成の観点から、生産が増加しているエコカーの普及が進めばプラチナ需要は回復していくでしょう。

世界では水素社会に向けた動きが活発になっており、これからエコカーの普及も植えていくことが予想されるため、プラチナの価値がなくなる可能性は低いです。

まとめ

プラチナの希少性は金よりも高いですが、１ｇあたりの価格は金の半分程度で取引されています。

そんなプラチナの価値は需要の変化や産出国（主に南アフリカ）の情勢、主要消費国の景気等、さまざまな要因によって左右され将来的な価格変動は予想するのは困難です。
そのため、プラチナの価格の急落に不安がある場合は、欲を出しすぎず、少しでも相場が上昇したタイミングで売却してしまうのもひとつの手です。

また、プラチナの価値は米ドルから日本円に換算して決まるため、円安が続く現在は売り時といえるでしょう！
プラチナの売却をご検討されている場合は、円高に転じてしまう前に早めに行動することをお勧めします。